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祖先から伝わる葛篭の中にあった一振りの短刀。
それと対面した時から、女には異変が起きた。
その短刀にまつわる哀しい物語が鮮明に脳裏に甦ってくるのだ。
女は短刀に同情し、心を奪われていく。
そしてかつてその短刀を持った数々の人たちと同様に我を忘れて自らの白い下腹部に切っ先をゆっくりと近づけていく。
死にとりつかれたような女の表情は、見るものをぞっとさせる迫力があります。